おーい、えび。

えびのたわごと

イギリスのクイズ番組のシステムが斬新だった件

留学でイギリスに住み始めて2週間ほどが経つ。

 

英語の勉強のためにテレビを流し見したりしているのだが、その際に文化が違うなと感じるものの1つがクイズ番組だ。

 

例えば、「おなじみのフレーズを当てる」というクイズがあったとして、そのフレーズはおそらく本や劇やCMのフレーズなど、英国人(英語圏)の人たちにとっては一定の共通知識であることを前提として作られている。この場合、僕のように完全に日本語文化圏で生きてきた人間にとっては何のこっちゃという感じになる。

 

このように英語が分かる分からない以前の問題で内容が楽しめないので、クイズ番組は基本的にはスルーしていたのだが、先日たまたま見たクイズ番組はシステムが少し面白かった

 

それはセレブが参加して賞金を競うタイプのクイズ番組で、1問正解するごとにその人に●●万円が加算されるというものだった。最終問題が終わった段階で1位だった人は獲得した額の賞金をもらうことができる。ここまでは特に珍しくない。

 

変わっていたのは、2位と3位の人はそれまでに積み上げた賞金をもらえないばかりでなく、積み上げた額と同じ額をそっくり自腹でどこかに寄付しなければならないという点だった。

 

3位の人は日本円にして40万円ほどを積み上げていて、司会者がどこに寄付するかを問うと、「自分は▲▲ということを考えているので、膵臓がんの早期発見に取り組む団体に寄付する」とスラスラ答えた。2位の人も60万円弱を同様に何かの研究に寄付していた。

 

これはとてもうまいシステムだなと思った。

 

きっと負けたときにどこに寄付するかはすべての参加者が事前に考えさせられているのだろう。

敗退した者たちがその団体に寄付する理由や背景をしっかり述べて寄付することで、視聴者も「なるほど、そういう問題があって取り組んでいる団体があるのか」と気づけるし、場合によっては触発された視聴者からその団体に寄付がさらに集まるかもしれない。

 

イギリスでは寄付の文化が日本よりも根強いと聞いていたが、こういうクイズ番組にすら寄付を組み込んでいるというのはさすがというか興味深かった。

 

負けたら自腹というギャンブル性もあるので、日本のように芸能人がノーリスクで●●万円をかけて争っているのを見るよりもよっぽどハラハラする。

 

クイズは一つも解けなかったが、そんなことを思いながら観ていた。