おーい、えび。

えびのたわごと

時間のない官僚が受験3回でIELTS 7.0を取った勉強法(その2)分野別やることリスト

 

【今回の目次】

全体戦略として、公式問題集など実際の問題形式を使った勉強に多くの時間を費やすことにした。そもそものレベルが低い自分のような初級者にとっては、時間のかかる基礎能力の向上を図るよりもIELTSの形式に慣れるということの方が短期間のスコア向上には寄与しやすいと思ってのことだ。また、漫然と基礎修行をするよりは苦手分野を洗い出してから目的意識を強く持って勉強した方が効率的に時間を使えるので、じっくり腰を据えて取り組む余裕のある方にも本番を想定した問題を時々カリキュラムに取り入れることを是非おすすめしたい

 

1.ライティングの勉強方法

ライティング(文章を書く力)の勉強方法としては、テストのtask1とtask2それぞれに使う「定型フォーマット」をひたすら覚えて、公式問題集の質問に型にそって答える練習をした。理由はいくつかある。

  • 理由1 なるべく書き出しや全体構成、結論など、必ず書くことになる定型表現はいつも決まった書き方をすることで、スペルミスなく記載ができる文字数を確保できる
  • 理由2 IELTSのライティングはとにかく時間がないので、脳ミソへの負担が半端ではない。何も考えず(脳ミソに負担をかけず)に書ける内容が増えることで、より中身を考えることに力を注ぐことができるようになる。
  • 理由3 この聞き方の質問にはこういう型で答える、というのを身に付けておけば、採点者が想定していない角度からのトンチンカンな回答をしてしまう可能性がぐっと下がり、採点基準の1つである「タスクの達成度」を落としにくくなる。

 どんな型を使うかは好みもあると思うが、task1、task2それぞれ出題される質問には6,7パターンあるので、覚えるといっても実はそんなに楽な話ではない。とはいえ、自分は型を覚えていなかったときと比べて4か月でスコアが1.0上がったので、効果はそれなりにあったと思う。task1であれば「グラフ問題」、task2であれば「賛成か反対か」問題のように、出やすさには一定の傾向もあるようなので出やすいものから段々型を増やしていけるとよい気がする。この辺のサイトも参考に。

www.fourskills.jp

 

2.リーディングの勉強方法

リーディング(読解力)の勉強方法としては特別なものは何になく、ただ英語の文章を読む機会を増やすことと、分からない単語は都度調べる(できれば文ごと紙に書き出す)ようにするので良かった。

2.1 英語の文章を読む訓練について

IELTSの本番や公式問題集に出てくる文章は

「易しめ」・「ちょい難」・「難」 か、

「普通」・「普通」・「難」

の3題セットであることが多い(気がする)。このうち、「普通」まではネット検索して見つかるNHK worldや後述するレアジョブが配信するデイリーニュースとかの記事が6~7割くらい読めればさほど問題なく対応できるし、「難」については正直4~5割くらいしか読めないレベルなのだが、それでスコアは6.5くらいは取ることができる。

ポイントはどれくらい読む量を確保できるかだが、僕の場合は日常の仕事で英語の文書を読むことがちょうど多くなった時期だったので、1日平均30分は業務時間に英語を読んでいたと思う。それ以外だと平日は通勤時にニュースチェックする時間を片道分は英語の記事を読むことにした程度。土日は後述するスピーキングの勉強の一環として記事を読むことと公式問題集が主な勉強法となった。 

2.2 単語の覚え方

単語帳はオススメしない。点数につながるまでには相当やりこまないといけないし、覚えるという作業をしてから点数というご褒美が得られるまでに時間が空いてしまうので苦痛に感じやすい。オススメは文章を読んでいて分からない単語や表現が出てきたらその都度調べる習慣をつける方がいい。文の意味が分かるようになるというご褒美がその場で必ず得られるので、記憶に残りやすいように思う(昔流行ったアハ体験に近い話なのかもしれない)。

 

3.リスニングの勉強方法

リスニング(聞き取り力)に関しては、youtubeで「IELTS listening test」と検索すると無数に出てくる模擬テストと シャドーイング、この2つである。

3.1 Youtubeに掲載される練習問題の使い方

youtubeの方は毎日リスニング問題がアップされるので練習には事欠かないが、時々回答が間違っていたり、あまりに難しくてへこむことがある(回答の間違いはコメント欄で指摘されていることがほとんどなのでチェックすれば問題ないが、難易度のばらつきは仕方ない…タダだし…)。聞いて分からなかったところは、忘れずに原因を確認する。原因は

①話している速度についていけなかった(→聞き直せば分かる)

②そもそも言っている単語や表現が分からない(→聞き直しても分からない)

③何を聞かれているのか理解が追い付かいない(→問題文を読む速度にも問題か)

この3つの組み合わせであることが多い。①は練習を続けることによる慣れや予測が有効(=短期的な向上が見込める)、②はボキャブラリーをその都度強化(地道な努力でつぶすこと)、③はリスニング練習以外のアプローチが必要かもしれない。

3.2 シャドーイング

シャドーイングによる聞き取り力の向上効果については、多くの方が記事や本を出しておられるので目的や方法は省く。多くやればやるだけ効果はあると思うのだが、これも単語帳と同様で、正直結構しんどいし効果がすぐには実感しづらい。ただ、これより効果的な方法を見出せなかったのも事実。僕はオバマ元大統領のスピーチ集、スティーブ・ジョブズスタンフォード大の卒業式でやった有名な演説など、中身を覚えているとどこかで引用できそうなものを使うことで、英語の勉強以外のモチベーションにも働きかけようと試みていた。

 

4.スピーキングの勉強方法

スピーキング(喋る力)の勉強方法はシンプルで、オンライン英会話を毎日25分欠かさずやる、これに尽きた。僕の場合、仕事でいつか話さないといけない日が来るというプレッシャーもあったので、タクシー帰りや体調不良がない限りはたとえ終電で帰宅した日もやっていた。個人差はあると思うが、最初のブレイクスルーを感じたのは3か月目、次が半年後くらいだった。

  • 3か月(=会話時間にすると合計2,000分くらい)で、言葉の出やすさを実感
  • 6か月で、事前準備していなくても言いたいことの7割くらいは言えるかな

という程度。

オンライン英会話を始めてから7か月目に受けたIELTSでスピーキング7.0を取った。ただし、この回は自分の仕事と関係の深い話題だったことも大きく影響した気はする。

4.1 オンライン英会話の進め方

どちらの社も教材は色々取り揃えているが、僕はデイリーニュースという毎日更新されるディスカッション用の素材を題材に話していた。進め方としては、

① 予習1:ニュース記事と設問をひととおり読んでおく

② 予習2:設問への答えを英語でイメージしておく

③ 授業中:自己紹介や単語の音読は適宜割愛する。記事は1度音読し、できるだけディスカッションの時間を長くとる。

 

想定される効果の解説。

① 予習1:リーディングの練習+語彙の強化

② 予習2:やるのとやらないのとでは授業中に話せる幅が劇的に変わる

③ 授業中:記事の音読は無駄に思われる気もするが、やらないと講師とのディスカッションが深まらない気がするのと、実際に仕事において英語で発言をするときは原稿を読むことも多いので、その練習だと思ってやっておく。 

 

テストの3週間~1か月前くらいからは、こちらのIELTSスピーキングテストのサンプル集を使って講師に模擬テストをひたすらやってもらった。

www.ielts-mentor.com

このデイリーニュースと模試の2種類をひたすら繰り返した。模試だけやっていると新しい語彙や表現を覚える機会がないので、ミックスするのが良いと思う。また、個人的には単語帳とかで覚える作業は退屈すぎて続けられたためしがないので、デイリーニュースの記事を読んで知らない単語はその都度調べるサイクルを作れたことも良かった。

4.2 オンライン英会話はどこがよいか

最初はレアジョブを利用していたが、本格的に毎日やるようになってからはDMM英会話に切り替えた。値段には大差なかったが、DMMはフィリピン人以外の講師が多かったのと、講師を選ぶ際のおすすめ度☆が数値化されていてハズレを引きにくかったのが気に入った。(DMMは4.90以上の評価の人はほぼハズレがなかった。)

上に挙げた2社の違いは他にもあり、例えばディスカッション素材となるデイリーニュースはDMM英会話の方が質問項目が少し多く、25分間という時間設定にはちょうど良かった。記事の内容はレアジョブの方が少し難しい。他方、レアジョブの方は記事を英語で読み上げた録音が必ず付いているのが非常に良かった。もしかしたらスピーキングだけでなくリスニングの教材にも使うことを想定しているのかもしれない。無料で公開されているので、退会後ももっぱらシャドーイングの練習に利用させていただいた。

英会話ニュース教材 Daily News Article | オンライン英会話No.1 レアジョブ英会話

 

 

ここまでが試験前日までの話である。最後に(ひょっとしたらこれが一番重要かもしれないが)試験当日の立ち回り方も記事にしているので関心がある方はぜひ。

ooiebi.hatenablog.jp