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官僚から社会人博士への道 vol.7 ~すべての博士課程学生に共有したい10のアドバイス~

この記事は官僚である筆者が自主休職して社会人博士を目指す様子をお届けする雑記帳である。

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僕が入学したイギリスの大学では入学式にあたるような行事がなく、新入生のための歓迎週間(ウェルカムウィーク)というのが開催された。

 

歓迎週間で何が行われるかと言うと、主に新入生が知っておくべき研究関連の知識や大学のサービスなどを徹底的にレクチャーするのである。

 

日本にありがちなお偉いさんの挨拶攻めというのはほとんどなく、代わりに研究倫理や大学による学生への支援体制、研究を進める上で役に立つ各種手引きの紹介、指導教官との関わり方など、実務的だが日本の大学(少なくとも私の母校)ではほとんど教えてもらえなかったことをみっちり教わった。

 

 

中でも興味深かったのは「博士課程学生に贈る10のアドバイス」という講義だった。

 

その講義曰く、以下の10箇条が重要とのことであった。

  1. 指導教官からの教えをうまく活用すべし
  2. 博論の執筆は1年目のなるべく早い時期から始めるべし
  3. 現実的な計画を立てるべし
  4. 計画は随時見直すべし
  5. 集中力を削ぐもの(Distraction)を遠ざけるべし
  6. 仕事のように学業をすべし
  7. 自らの体調やメンタルをいたわるべし
  8. ちゃんと助けを求めるべし
  9. 我慢強く取り組むべし
  10. 好奇心を持って臨むべし(専門外の分野や、研究以外の活動にも広く目を向けよう)

 

特に2の「博論の執筆は1年目のなるべく早い時期から始めるべし」は実務的なアドバイスとして理にかなっている。

 

確かに漫然と論文を読み漁るよりもアウトプット(ここでは論文のポイントをこまめにまとめて文章化すること)を意識して読んだ方が身に付くだろうし、そのアウトプットがそのまま博論になっていくのでこれほど効率的なことはない。

 

また、この作業をするには博論の章立てを考えることになる。その章立てがそのまま自分が身に付けるべき知識の枠組みなので、何を情報として集めなければいけないかを意識しながら論文を読むことができるようにもなる。

 

 

第6条の「仕事のように学業をすべし」も大いに頷ける。

 

これは要するに、朝何時から夕方の何時まで、毎日規則正しく学業(研究)の時間に充てるべしというアドバイスである。

 

たしかに、僕が修士の学生だった頃、博士課程の先輩が周りに何人かいたが、普段から決まった時間にラボに来てほどほどの時間になったら帰るというサイクルが出来ている人は危なげなく博士号を取って卒業していた。

 

逆に、ラボにいる時間こそ長いものの作業なのか休憩なのかよく分からない過ごし方をしている人もいた。こちらはたいていの場合、博論直前であったり進捗報告の時期が近づくと毎度のようにバタバタしていた。

 

1日単位で見るとさほど違いはないかもしれないが、3年間の積み上げで見ると大きな違いが生まれるように思う。

 

 

本日ご紹介した10箇条は自分としても心に刻むようにしたい。また、自分と同じように博士課程に在籍されている方、あるいはこれから進まれる方にも読んで参考にしていただければ幸いである。

 

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