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えびのたわごと

官僚から社会人博士への道 vol.1 ~休職で行く、私費留学のススメ~

このたび、イギリスに3年間留学することにした。

 

 

 

僕の職業は国家公務員、いわゆる官僚である。

 

国家公務員には人事院による留学支援制度という非常に恵まれた制度がある。

この制度のすごいところは、学費だけでなく、お給料や出張日当ももらえる点にあり、これによってお金の憂いはほとんどなく勉学に勤しむことができるというわけだ。僕の周りも3人に1人くらいはこの制度を使って留学している印象を持っている。

 

だが、僕はこの制度をあえて使わないことにした。

 

理由は2つある。

 

1つは、周囲の人たちが皆この制度を使って留学しているので、なんだか人と同じことをするのはつまらないなと思えてしまったからだ。

 

喩えて言うなら、新しいゲームを買おうとする時、周りにそのゲームをクリアしたことのある人たちが山ほどいたらどうだろう。何となく違うゲームを手に取ってみたくならないだろうか。

留学という人生の大イベントを決めるにしては我ながらしょうもない考えだったかもしれないが、周囲がやったことのないゲームを始めてみたいという気持ちが勝ったのであった。

自分にとって、周りの人がやったことのない新しいゲームというのが

休職して私費で博士課程に留学するという挑戦であった。

 

2つめの理由は、この制度で留学すると帰国後5年間は国家公務員として働かなければならないからである。仮に5年以内に辞めると留学中に支給されたお金を返金しなければならないというペナルティが課されることになるのだ(税金で行かせてもらっている以上、これは当然だと思う)。

 

僕の場合、帰国しても辞めるつもりはない。それなら良いではないかと思われるかもしれないが、5年間も自分の選択肢を制限されるのがどうしてもいやだった。

 

今そのつもりがなくても留学しているうちに新たなキャリアアップの機会に巡り会うかもしれないし、帰国してから全く別の理由で官僚を辞めたいという気にならないとも限らない。

つまり、お金をもらう権利を放棄した代わりにその後の5年間の自由を買ったのだ。

 

こうして、『自由には責任が伴う』という言葉のとおり、僕は3年間の留学費を工面する責任と、周りがやったことがない道なき道を行くという選択への責任を背負い、受難の日々を歩むこととなったのである。

 

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ooiebi.hatenablog.jp